割れていたり、虫に食われていたりする大豆を取り除きます。
こんにちは!みそ汁づくりコースです。
今回は千代田区にある老舗のお店について紹介をします。みそ汁づくりコースとしておみそ汁の材料を買い、作るところまでを参加者の親子の方と取材しました!!また、管理栄養士のたまごである私たち、栄養学生からの視点も楽しんでいただけたらと思います。
みそ汁を作るためにみそを買いに神田明神の近くにある天野屋さんにきました。
さて、どんなおみそが売られているのでしょうか?
参加してくださった親子の方はお店のかたとおしゃべりをして、おみその食べ方などのお話をきき、おみそにさまざまな食べ方があるということに驚いていました。
悩んだ結果、田楽みそとおみそ汁をつくる江戸みその2つを購入!どんな味の違いがあるのでしょうか。くわしくはサードステップで紹介します。お楽しみに!
天野屋さんにある地下6メートルの天然の土室からできた、発酵力の強い糀を元にした吟味譲造のものです。塩分が抑えてあるため、食材の素材の美味しさを引き立たせてくれます。江戸で生まれた江戸時代から続く伝統の味です。
「みそは医者いらず」と言われるほどみそは体に良く栄養があります。では、どんな効能があるのでしょうか?
・便秘改善
腸内環境を整えてくれる食物繊維が豊富
・美肌効果
抗酸化作用のあるビタミンEやイソフラボンが含まれており、お肌の老化防止に!
シミやそばかすの原因であるメラニンの生成を抑制する働きを持つリノール酸が含まれています。
みそは発酵食品で、原材料である大豆にはない酵母や乳酸菌を含み、体内へ栄養を吸収しやすいと言われています。またみそは低カロリー低脂質でダイエットに向いています。
そのほかにも、がんや生活習慣病など多くの疾患のリスクを下げるという研究結果があります。
田楽みそには酢をいれて酢みそ和えにしたり、野菜のみそ炒めにしたり、ジャージャーにいれたり、塩の代わりにおみそをぬるおみそのおにぎりなど、たくさんのお料理への活用法を聞くことができました。お話をきき、わたしは今までおみそはみそ汁にするという発想しかなかったため、これからはみそ汁以外でおみそを使い料理をしたいと考えています。
つくるのは気温の低い秋や冬がおすすめです。
作り方おみそを買いに訪れた天野屋さんは歴史がある老舗のお店でした。
ご先祖様は京都から来たそうです。江戸の末期に京都で道場荒しにあい、かたき討ちをするために江戸(いまの東京都)にきました。そして、参勤交代で通るであろう場所として、今のお店があるところに住み着いたそうです。
その後、敷地内の奥に室があることを知り温度も湿度も良いことから糀屋さんになりました。その糀を利用して、おみそを作り、みそ漬けやみそ田楽をつくったそうです。だから、今回購入した江戸みそは “歴史のあるおみそ”ということになります。また、天野屋さんではおみその作る量はきまっているため、お店での取り扱いのみです。つまり、天野屋さんの手造りみそを味わえるのはここだけです。
天野屋さんには喫茶室もあり甘酒や田楽など様々なものを食べることができます。そこで、甘酒をいただきました。自然な甘みとは思えないぐらい甘く、参加者の親子の方も私たちも驚き、糀のすごさを実感できました。雰囲気も落ち着いているため親子で入りやすい雰囲気となっています。立派なお庭があり、大きなみずがめあり、参加してくださった年少さんもお庭とみずがめに興味津々で自然と触れ合うことができました。
天野屋さんではコメと糀菌のみでアルコールは含まれていない甘酒が売られています。とっても甘くて飲みやすく、お子様でも飲みやすいものとなっています。
甘酒は江戸時代にも飲まれていて甘酒売りが街に出て売っていたといわれています。夏バテ予防のために飲まれていたとされています。天野屋さんで昔から愛されていた甘酒を飲むのはいかがでしょうか。
越後屋さんではこちらの北海道産の大豆100%を使用し、豆腐を製造しています。お米が入っている袋のようですが、中はすべて大豆!お子さんも私たちもこんなにたくさんの量の大豆を目にしたことは無かったので驚きでした。ここで簡単に“大豆から豆乳になるまで”を紹介したいと思います。
割れていたり、虫に食われていたりする大豆を取り除きます。
大豆の表面についている土・ほこりなどを取り除くため、
水洗いを繰り返します。
次の工程で大豆を砕きやすくするために水に浸します。
気温や水温により浸す時間を変えます。
水を含んで大きくなった大豆に水を入れながら細かく砕きます。
水の量を変えることで豆乳の濃度を変えることができます。
細かく砕いた大豆を100℃前後の火にかけます。
加熱した大豆を搾ります。
ここで豆腐の原料である「豆乳」と炒め物などとして
食べられる「おから」に分けます。
こうして大豆が姿を変え、出来上がった豆乳を固めることで私たちの食卓になじみのあるあの真っ白でおいしいお豆腐になるのです。みそ同様、大豆のちからが凝縮されていますね。詳しい作り方や、豆腐の種類による違いなどは豆ちしきで!
“豆腐”は前述のように、大豆から生まれ変わった豆乳に塩化マグネシウムが主成分である“にがり”を加えることで固めて作りますが、なんとお店の方のご厚意で、その体験をさせていただきました!
体験したお子さんは、豆乳に“透明な液”を入れて、ぐるぐるとかき混ぜるだけで、だんだんと固まってくる様子を不思議そうにみていました。こうして見慣れた豆腐になっていくことに驚いた様子でした。小さいお子さんはもちろん、大学生の私たちでさえ豆腐を固める作業工程を体験する機会は滅多にないものです。その様子に釘付けになってしまいました!
もめん豆腐
豆乳に凝固剤を添加し凝固させたものを崩し、布を敷いた型箱に盛り込み、圧搾、成型したものを所定の大きさにカットし、水さらしし包装したもの。
もめん豆腐はキメがやや粗く、布目や型のあとが残る場合があります。圧搾、水切りをしますので豆腐の水分は低くなります。
きぬごし豆腐
豆乳と凝固剤を型箱の中で混合し、全体を均一に凝固させ、所定の大きさにカットし、水さらしし、包装したもの。
きぬごし豆腐は、キメが細かく、ソフト感があります。豆乳の濃度と豆腐の固形分が一緒になりますので、濃い豆乳を採取する必要があります。
今回の取材ではなんとたくさんのお豆腐がぷかぷかと浮かんでいる水槽の中から目の前で取り出し、“切る”体験をさせていただきました。
この後のみそ汁づくりにつながる貴重な経験…
お子さんはどのような様子だったのでしょうか…?
最初は豆腐専用の大きな包丁に怖がっていたお子さんでしたが、お店の方に「これはね、お豆腐だけしか切れないんだよ。手は切れないから大丈夫、やってごらん。」と優しく教えていだき、恐る恐る包丁を握っていました…何度か店主さんと一緒に切ってみると、コツがわかったようでその後は一人でも切れるように!まっすぐ切ることに苦戦していたようでしたが、とっても楽しそうでした。
越後屋さんでは自家製のお豆腐を炭火で炙った焼き豆腐も販売しています。実際に奥さんが焼き豆腐を作っている様子を見させていただきました!真っ白なお豆腐がパチパチと心地よい音を立てながら焼かれ、焼き豆腐へと変身していく様子にお子さんも興味深々!「ぼやぼやしてたら真っ黒こげになっちゃうのよ。」という奥さんの言葉にお子さんもニコニコ…何度も何度も焼き場の前に行き、名残惜しそうにその場を離れる様子からは、真剣でもあり、楽しそうでもある、そんな学びの表情がみられました。
あたりに漂う豆腐が焼ける香ばしい香りに、そこにいたみんなが食欲を刺激されてしまいました…
こちらは焼きあがった豆腐を重石で水切りをしている様子です。このようにして、煮崩れにも強いしっかりとした焼き豆腐が出来上がっていくのですね。
こちらは越後屋さんを切り盛りしているご夫婦!いろいろな体験を用意していただき、小さなお子さんにもとっても優しくて、親切です。今回もお子さんとすっかり打ち解けていました。素敵なお二方です!また、越後屋さんは建物も趣があり、長い歴史を感じられます。ぜひ、親子で訪れてみてはいかがでしょうか。
天野屋さんで買ってきたおみそと、越後屋さんで頂いたお豆腐で初めておみそ汁を作ります。まずはお湯を沸かして、かつお節からお出しをとりました。お子さんはかつお節からお出しをとったのが初めてで、かつお節を鍋に入れてしばらくして取り出すことを不思議に思っている様子でした。
次にお豆腐をサイコロの形に切り(さいの目切り)火が通ったら、一度火を止めておみそをみそこしきで少しずつ溶かしながら入れました。もう一度火を入れて、温めてみそ汁をお椀に盛り付けました。
初めに越後屋さんで頂いた焼き豆腐を食べやすい大きさに切り、次にお皿に移しレンジで温めました。温めたお豆腐に田楽みそをつけて完成です。お子さんは目の前の焼き豆腐を早く食べたくてそわそわしていました。
かつお節からお出しをとったおみそ汁は、お豆腐が程よい硬さでお子さんが入れたみその量もちょうどよくて、幸せになる味でした。
みそ田楽のみそは甘くお子さんの苦手な野菜につけたら、食べられるようになるのではないかと思うほど、美味しかったです。焼き豆腐は香ばしくて、市販の豆腐や家庭では作れないと思う味でした。
①鍋に水1,000mlを入れ、沸騰したら火を止める。
②削りぶし30gを入れて、1~2分間おく。
③ざるに布またはキッチンペーパーをしいて、削りぶしをこし、1分間おく。
④出しとして、約800ml(みそ汁約4杯分)取れます。
※削りぶしをこす際、絞るとえぐみが出ますので、絞らないでください。
参加した親子の方へインタビューをしました。
お母さんは今回のみそ汁づくりコースへ参加して感じた、お子さんの成長についてお話しをしてくれました。成長した点は3つあります。
1つ目は、“シャイだった子が積極的にお店の方へもお話をするようになった”ことです。最初、私たち学生が初めてお子さんとあったときには、お母さんの陰に隠れて私たちとはあまりお話しをしてくれませんでした。しかし、天野屋さんや越後屋さんに一緒に取材に行き様々な体験をした後には保育園やお家での話を私たちにも積極的にしてくれるようになりました。また、近所のお店の方にもあいさつができるようになったというお話を聞きました。今までお話をしたことがない方とコミュニケーションをとることによって、自信がわき積極的にお話ができるきっかけになったのではないのかなと思いました。
2つ目は“食知識が身についた”ことです。天野屋さんではみそのつくりかたについて教えていただいたので今度は家で自家製のおみそを親子で作るそうです。越後屋さんではお豆腐の種類について直接お話を聞いたので、おうちでもお豆腐にはいろいろな種類があるということをお話してくれたりするそうです。お話を聞き、私たちは、体験を通して思い出と一緒に得た知識は身につきやすいのだなと感じ、管理栄養士としてどのようにお子さんに伝えたらよいのかということを学べました。
3つ目は“お子さん自ら「おつかいに行きたい」といっていた”ということです。
お母さんからは「優しく接してくださるお店の方々のおかげで、娘はおつかいにも行きたいと言うようにもなりました。自分が住んでいる地域にお友達とは違う親しみのある方がいることに親子で気づき、地域のお店の方が身近になった気がします。」というお話を聞けました。地域のお店の方と直接お話をすることによって地域を身近に感じ、おつかいに行ってみたいとお子さんが思うようになったのではないのかなと思いました。
地域とのかかわりを持つということは、保護者の方にとってもお子さんにとってもネットワークが広がるため、かかわりを持つことが大切だということが分かりました。
私たち栄養学を学ぶ学生も実際にお店の方や親子の方とコミュニケーションをとることにより、お店の方からみた食に関する情報、保護者の方が求める食育について学ぶことができました。それらを発信したり、理解をしたりしてもらえる管理栄養士になり、人に寄り添ったアドバイスをしていきたいと思いました。まだまだ、未熟なので理想の管理栄養士に近づけるよう日々精進していこうと思います。
ぜひ、みなさんも千代田区のお店や地元地域のお店に足を運んでみるのはいかがでしょうか?親子で簡単なお料理を一緒にしてみることもおすすめです。